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2 火舎香炉(かしゃごうろ)

(1) 火舎香炉

 火舎香炉とは焼香を行うための香炉で真鍮で出来ています。一般には三脚がついた幅広い縁の炉に、宝珠形のつまみのついた蓋を乗せたもので、蓋には煙出しの穴が空いています。置く場所は上卓上の真ん中です。三本足の一本を正面にして置いてください。
 ただし在家用の物は小さいので、実用には適していません。寺院では、仏前を清らかにするために、この火舎香炉で焼香を行います。真宗大谷派では、火舎香炉の前に香盒(こうごう)を置きます。

【在家用火舎香炉】
【火舎香炉の部分名称】
【玉虫厨子に描かれた火舎香炉】

(2) 火舎香炉の関連知識

 仏様を供養するには様々な方法がありますが、その基本となるのは香(こう)・華(げ)・燈(とう)・飲食(おんじき)の四種で、仏前に香をたき、華を飾り、燈明をともし、仏供飲食を供えます。中でも香は最も中心をなすもので、古くからインドにおいても重視されていたことが知られています。仏前に焼香するための香炉は、その形式や用途から幾種類かに別れ、密教で主として用いられるのが火舎香炉です。
 その形式は鍔形の縁をつけた浅い目の火炉の下に三脚を備えたもので、頂上に宝珠形の鈕(つまみ)をつけた香煙を出す孔饅頭形の蓋をかぶせたものです。この三脚つきの火炉の形はすでに中国の唐時代に流行していたことが知られており、わが国でもその伝来は早かったようで、法隆寺の玉虫厨子の絵にも描かれています。