6 輪灯(りんとう)

(1) 輪灯

 お仏壇の中を明るくする照明用の真鍮製の灯火具です。真宗大谷派においては、真鍮の棒を丸くまげた模様の無いシンプルな丸蔓のものを使用します。輪灯の栓は内側に向けてさすのが作法となっています。また、輪灯を吊る高さは、輪灯の底が花瓶の上部と同じ高さになるように吊り下げます。

 【笠部を分解したところ】
 

(2) 輪灯の関連知識

 輪灯はその昔、宮中で用いられたともいいますが、その変遷は明らかではありません。真宗全派で用いられますが、大谷派のものは間吊りがなく、輪灯の始原の形に近いものと思われます。元来は油皿に輪を付けて上に釣金具を付けただけのものと思われますが、上に油煙の立ち上ぼるのを防ぐために笠を付けたものです。
 各尊前の灯明は、単に内陣や仏前を明るくするという照明のためだけでなく、浄火を燃ずるという意味から、植物性の菜種油を使用し、灯芯を入れて紙燭(しそく=こよりで作った点火道具)にて点火します。消灯(おしめし)の時は、芯を切る香箸と芯切壺を持って出て灯芯の火屑を挟み切って消します。
 なお、灯芯はいぐさのずいからできております。

【本体を分解したところ】
【輪灯の本体】
 【在家用輪灯】
 真鍮製の仏具は、年に数回「おみがき」をします。輪灯は分解しておみがきをいたします。
 【輪灯の笠部】
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