3 華瓶(けびょう)

(1) 華瓶

 火舎香炉と同じく真鍮でできた壺型の器です。上卓前部の両端に置きます。水は華瓶に入れ、樒(しきみ)を挿して香水としてお供えをします。本来、青蓮華や香木を用いるのですが、日本においては、青蓮華も香木も産しないので、抹香の原料である樒を香木と認識して、青蓮華の代用にしたといわれます。華瓶以外にコップなどに水を入れてお供えする事はいたしません。華瓶がない場合はあえて水を供える必要はありません。

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【亜字形華瓶】
【徳利形華瓶】
【在家用華瓶】

(2) 華瓶の関連知識

 華瓶の原型は、インドの迦羅舎(からしゃ)という水瓶をかたどったものといわれます。迦羅舎はもともと、宝薬や香水を入れ、その口の栓に花が使われたと考えられ、シルクロードの壁画や曼陀羅においても花で蓋をした瓶が配置されているのが伺えます。
 華瓶は浄水や香水を供える容器ですから、花さしではありません。中の水を常に清らかに保つ意味で、香木と認識した樒を挿します。水が浄らかというのは常に流れているということで、御仏の教えが常に私たちの上に生き生きと流れていることを意味しています。
 華瓶以外にコップなどに水を入れてお供えしないのは、仏様のおられる世界(お浄土)は、この上もなく清浄で、美しい八つの徳をもつ水(八功徳水)に恵まれた国土ですから、こちらから水を送る必要がないからです。
 なお、華瓶には、広口で頸が狭く胴膨みをもち腰の細い台を付した「亜」の字に似た形のもの(亜字形華瓶)と、細長い頸をもつ底が丸く下膨れをした胴と、低い高台からなる「徳利」に似た形のもの(徳利形華瓶)とがあります。