9-C 鶴亀(つるかめ)

(1) 鶴亀

 鶴亀の燭台は亀の背中にのった鶴が、口に蓮軸をくわえている姿のもので、燭台としては室町時代よりこの形式のものがあります。鶴亀は蝋燭を立てる燭台ですが、立燭(りっそく)をしない時は朱の木蝋を立てておきます。亀は尾の先を手前に向くように置き、鶴は嘴(くちばし)の開いた方を右側に、閉じた方は左側に置きます。また連軸は蓮の実が正面になるように気をつけてください。三具足のときは右側だけを用います。

【亀の尾の向き】

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(2) 鶴亀の関連知識

 鶴亀と花瓶香炉の三つの道具が、三具足といわれ座敷飾りの基本となり、それを真宗において仏具として取り入れるようになりました。天文五年(一五三六)の「註画箋」に鶴亀の図がのっているところから、室町時代にはすでに使用されていたと思われます。NHKの大河ドラマ「毛利元就」のときにも床飾りとして鶴亀の三具足が出ていましたが、間違いではありません。また、大永八年(一五二八)の日宗寺蔵の日蓮上人画像の中にも画かれており、日蓮宗でもかつては用いられていたと考えられます。なお、現在の床の間の飾りに香炉と生け花が残っているのは三具足の名残です。
真宗大谷派の鶴亀は真鍮製ですが、東西分派直前は両派とも真鍮製(「鍮石(ちょうしゃく)」といわれていました)であったようですが、江戸初期に西は鈷銅(宣徳)になったようです。

【嘴と蓮軸】

【鶴亀】